水内茂幸の野党ウオッチ

共産党演説会で目立つ白髪、ハゲ頭…深刻な高齢化と党員減少 「赤旗」部数、野党共闘にも影

 党員減少に歯止めをかけるため、不可欠なのが若者世代への働きかけだ。党では7月の参院選東京選挙区で当時31歳の山添拓氏を当選させ、各地の地方選挙でも40歳代以下の候補者を積極的に擁立するなど、さまざまな手を打っている。

 党のホームページには、ネット選挙の解禁に合わせ、若者向けの「日本共産党カクサン部」を開設。最近では「政権を倒す勇者たちを見よ!」と題し、トレーディングカードを使って安倍晋三政権への批判を展開して「部員」を募集するなど、イデオロギー色を感じさせないような宣伝活動も行っている。

 しかし党関係者は、今の若者世代は政治そのものに距離を置く姿勢が目立ち、スカウトにも限界があるとこぼす。

 「7月の参院選では、安全保障関連法に反対する若者グループ『SEALDs(シールズ)』の幹部を多く党の集会に招いたが、選挙後に若者の入党が飛び抜けて増えてはいない。今の若者は、どこかの政党に所属するなどという帰属意識が薄く、党員になったり『しんぶん赤旗』を購読するような旧来のスタイルは通用しない」(党関係者)

 小池氏は「寝ても覚めても」とげきを飛ばすが、党員数が一気に回復する見通しはほとんどない。共産党は次期衆院選で民進党など野党3党に対し、選挙区での野党候補をなるべく一本化するよう呼びかけているが、これは295選挙区の大半に候補者を擁立する旧来の手法が難しいことの裏返しでもある。

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