衝撃事件の核心

失踪1万人「消えた中国人」をビジネス化 日本と中国を股にかける38歳女ブローカーの正体

 3人は身を隠す場所を確保しただけではなく、岡野容疑者の斡旋(あっせん)によって職を得ていた。

 「彼らは岡野容疑者に紹介された茨城県内の3カ所の食品加工会社で派遣労働者として働いていた。岡野容疑者は仕事を紹介する見返りとして彼らが得る賃金の約3割を報酬として得ていた」(捜査幹部)

 捜査関係者によると、岡野容疑者が経営していた会社は、不法滞在者の間で「駆け込み寺」的な存在として広く知られていた。

 岡野容疑者は平成25年1月に自らの会社を設立。法人登記上の業務内容は「通訳・翻訳」や「飲食店の経営」だったが、内情はまるで違っていた。

 「記載されていた業務内容はあくまで偽装で、会社の実態は派遣会社だった。労働派遣業を開業するのに必要な届け出はされておらず、派遣する労働者の多くが不法滞在者だった可能性が高い」と警視庁幹部は話す。

 捜査関係者によると、不法就労が発覚した3人は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や、不法滞在者同士の口コミなどで広まった評判を聞きつけて、岡野容疑者のもとに集まったという。

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