ユネスコ無形文化遺産

「山・鉾・屋台行事」登録を正式決定 和食、和紙などに続き国内21件に

 エチオピアのアディスアベバで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は1日(現地時間11月30日)、「京都祇園祭の山鉾(やまほこ)行事」(京都市)や「秩父祭の屋台行事と神楽」(埼玉県)など18府県33件の祭りで構成される「山・鉾・屋台行事」の無形文化遺産への登録を決めた。今回の登録により、国内の無形文化遺産は和食、和紙などに続き21件となる。

 登録対象の祭りは、山車を引き回すのが特徴だ。山車は山、鉾、屋台、だんじりなどと呼ばれ、神霊が降臨する依り代となる。木工や金工、漆塗りといった伝統技術の粋を凝らした飾り付けが行われる。芝居やはやしの上演などのため、住民が準備や練習に取り組み、地域の絆を強めるのに役立つとされる。

 33件はいずれも保護団体があり、国の重要無形民俗文化財に指定されている。他にも似た行事が各地にあるが、高齢化や過疎化で継承が難しくなっており、文化庁は「登録が担い手の誇りとなり、地域活性化につながる」と期待を込める。

 政府は、国の文化財に指定した祭礼行事や伝統工芸などを順次、ユネスコに提案。33件のうち京都祇園祭と「日立風流物(ふりゅうもの)」(茨城県)の2件がそれぞれ2009年に登録された。だが、11年の審査で秩父祭と「高山祭の屋台行事」(岐阜県)が先の2件との類似性を指摘され、登録を見送られた経緯がある。

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