家電やデジタル製品の世界市場で、中国企業はシェアを伸ばし、存在感を高めている。その競争力の源泉は、機能を絞って低価格に抑えた「汎用(はんよう)モデル」にある。だが、そんなチャイナ・ブランドの足元を揺るがす失態が10月以降、北米で続いた。格安スマートフォンの情報管理が問題視されたり、サイバー攻撃の「入り口」として中国製が狙われたのだ。問題発覚後の対応ぶりに、中国企業の死角が見え隠れする。
情報収集の狙いは…
汎用モデルは先端的な機能は持たないが、北米や中国、インドといった大型市場で低価格帯を狙い、大量に出荷して利益を稼ぐ。その代表例が格安スマートフォンだ。
2016年4~6月期のスマートフォンの世界シェアは、低価格モデルを得意とする中国の華為技術が9・3%と、首位サムスン電子や米アップルに次ぐ3位だった。中国メーカーは薄型テレビなどのデジタル家電でも韓国勢の牙城に食い込む。
中国企業の問題点を突くリポートが唐突に発表されたのは、11月15日だった。米セキュリティー企業「クリプトワイヤ」が公表したリポートは、中国製ソフトを組み込んだ低価格スマートフォンが、利用者に無断で個人情報を中国内のサーバーに送信。データが収集されていたことを明らかにした。