食用にされることの少ないサメの製品化に取り組んでいる洲本市由良の水産加工会社「武田食品冷凍」が、これまでほとんど利用されていなかった小型のサメやエイを用いた犬猫用のペットフード「サメ・エイ煮こごり」を開発し、30日から販売を開始する。身から内蔵まで余すことなく用いて栄養価が高いのが特徴で、同社は「犬猫の健康にも貢献できる」と期待している。
体内に尿素…アンモニア臭払拭が課題
すり身の材料やフカヒレというイメージがあるサメだが、体内に尿素を含んでいるため鮮度が落ちるとアンモニア臭を発する点が課題となっていた。同社は20年以上前から上水道をセラミック片や竹炭入りのタンクで濾過(ろか)して独自に無菌の軟水を作り出すことに成功。同社によると、この水にサメやエイを2時間程度さらすとアンモニア臭が消えたため、食用として料理店などに提供、好評を得てきた。
新商品では重さ1キロ未満で十分な身が取れないことから食用としては出荷されていなかったサメやエイを使用。同社のある由良漁港など淡路島内で水揚げされたものを用い、高齢の犬猫でも食べられるよう約1時間半かけて炊き上げてから冷ましてゼリー状の「煮こごり」にした。