iRONNA発

韓国財閥危機 サムスン凋落が暗示する韓国経済の限界 加谷珪一氏

 日本では企業の経営不振が長く続いているにもかかわらず、国内経済はそれほど壊滅的な打撃を受けていない。その理由は、企業活動とは直接関係しない、層の厚い消費経済が確立しているからである。日本や韓国のような加工貿易を中心とした国の場合、輸入の代金や海外への投資に際して必ず外貨が要る。豊富な外貨の蓄積があることは、企業活動に極めて有利に働くことになる。

 ただ、韓国は1997年の通貨危機の際に、国内の決済資金が不足し、国際通貨基金(IMF)からの支援を受けている。韓国は日本との間で通貨スワップの協定を結んだが、これはいざというときに資金不足に陥らないようにすることが目的である。

 サムスンやロッテは、かねて財閥グループ企業同士が相互に出資し合う「循環出資」と呼ばれる手法を多用し、経営の不透明性が指摘されてきたが、実はこの現象も韓国の資本不足が遠因となっている。

資本マジック

 なぜ、このような仕組みになっているのか。それは、各財閥のオーナーが限られた資金の中でグループ全体を支配するためである。これは一種の「資本マジック」といってよい。日本もかつては株式の持ち合いなど、循環出資的な慣習が残っていたが、社会の成熟化とグローバル化の進展で現在ではこうした慣行は急速になくなりつつある。

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