iRONNA発

韓国財閥危機 サムスン凋落が暗示する韓国経済の限界 加谷珪一氏

いまだ新興国

 サムスン電子の2015年12月期の売上高は約206兆ウォンであり、同社が生み出した付加価値は77兆ウォンに達する。同じ年の韓国における国内総生産(GDP)は1559兆ウォンなので、サムスン1社で全GDPの5%を生み出している計算になる。韓国経済のかなりの割合が、こうした財閥系企業の活動によって支えられているのだ。ちなみにトヨタが1年間に生み出した付加価値は約5兆円であり、日本のGDPは約500兆円なのでトヨタの占める割合は1%である。

 加えて、経済の基本構造も日本とは異なっている。日本の場合、GDPに占める消費の割合は約6割となっているが、韓国は半分程度しかない。一方、設備投資がGDPに占める割合も日本は2割だが、韓国は3割に達する。つまり、日本では十分なインフラが既に整備されており、安定した消費経済が存在することを意味している。

 逆に言えば、韓国経済は新興国から先進国に移行する途上であり、企業活動が経済全体に及ぼす影響は依然、大きい。サムスンなど大手企業の業績が低迷すると設備投資が大きく減少するので、景気全体を冷え込ませてしまう。

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