庵野秀明監督に聞く・動画付き

シン・ゴジラで重ねた無理とは? 今はエヴァンゲリオン最新作に… 

 1つ例を挙げれば、(碇シンジら)主人公たちは中学2年生ですが、それでは大人は見てくれない。だから、当時、29歳の設定だった(葛城ミサトら)大人の世代、それとシンジの父、ゲンドウの世代と3世代を登場させ、観客が自分の視点を見付けやすいように設定しています。

 (自分の中の)コアな部分を失わず、大人が見られる作品を目指す。それが、僕の常々の挑戦です。

 《2007年には映画版のリメーク「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」を開始。第2弾「破」から物語が急展開し、ファンを驚かせた》

 02年ごろ、久しぶりに全編を見返す機会があり、すごく面白いと思った。当時、アニメに勢いがなかった時期だったので、おこがましいようだけど、アニメ界を支える一つの柱になれば、という思いもあり、新劇場版を始めました。

 最初は「再編集して、最後だけちょっと変えよう」と軽く考えていました。でも性分で、やる以上はより面白くしようと、作業が止まらなくなってしまった。

 《心血を注いで新劇場版を製作した庵野監督は、12年の第3弾「Q」公開後に体調を崩し、長い休養を強いられた。現在は最新作「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を製作中だ》

 前回で完結するはずが、できなかった。ファンの中にも、エヴァ新作を待ち望む声と、「もう別の作品を」という声の2通りがあると思います。でも、僕の中では次はエヴァをちゃんとやっておこうと思うんです。

 「シン・ゴジラ」を作ったことで気持ちも切り替わったし、時間もたって、だいぶ回復できた。長いトンネルの先に、光が見えてきて、だんだん大きくなってきている気がするんです。