片渕監督は、原作通りに旗を出したが、そこに政治的な意図を込めたくなかった。そこであのようなセリフになったというのが真相のようだ。片渕監督としてはあくまでもすずを中心とした人々の暮らしを描くことが主眼で、そういった思いを超えて政治的に受け止められることを嫌ったのだろう。
片渕監督はアニメ作品について、「アニメーション(の歴史)がもともと子供向きから始まっているからといって子供を意識する必要は全くない」と断言する。「この映画が世の中に受け入れられるかが試金石。今そういうことをやっているのは(1988年に『火垂るの墓』などを発表している監督の)高畑勲一人だと思うんですよ」
(WEB編集チーム 伊藤徳裕)