竹島を考える

鹿を指して馬となす韓国教授の思い込み主張を正す

竹島など領土に関する記述が増えた教科書。韓国ではこれを「捏造・歪曲された論理が公教育に反映されている」と批判
竹島など領土に関する記述が増えた教科書。韓国ではこれを「捏造・歪曲された論理が公教育に反映されている」と批判

韓国・大邱(テグ)大学の崔長根(チェ・ジャングン)教授は11月1日、『嶺南日報』(電子版)に「日本の独島(竹島)領土捏造(ねつぞう)」と題する一文を寄稿した。だが、何度かクリックしたが、閲覧できなかった。読むことができたのは、ネット上に公開されていた次の部分だけであった。

「現在、日本の外務省の独島領有権の主張は、『竹島問題研究会』が捏造した論理をそのまま踏襲している。この研究会は、過去韓国で10余年間日本語を教えた講師で、独島に無知な下條正男が煽動(せんどう)…」

竹島研究会への的外れな批判

ここで崔教授が言わんとしたことは想像がつく。崔教授は11月10日付の『大邱新聞』(電子版)にも、「日本で会った2人の日本人の独島に対する思考方式」と題したエッセーを載せており、次のように述べているからだ。

「最近になり、普通の日本人たちもこのような認識を持ったのは、下條正男という人物の影響が少なくない。彼は教授という身分を掲げて島根県を動かし、2005年に『竹島の日』条例を制定するようにし、『竹島問題研究会』を作って『国家が領土を捨てた』として煽動した。極右的性向の安倍政権がこれに便乗し、彼が捏造して歪曲(わいきょく)した論理をそのまま公教育に反映させ、竹島教育を義務化するよう社会的雰囲気を助長した」

だが竹島は、歴史的に韓国領であった事実はない。従って私が「捏造して歪曲した論理」とするのも正しくない。それに「島根県竹島問題研究会」は、島根県の要請で発足したもので、活動はほぼボランティアである。その「島根県竹島問題研究会」の竹島研究が気になるのは、韓国側にとって不都合な事実を明らかにしてきたからである。

「独島=韓国領」の前提で進める崔教授の論稿

では、「捏造して歪曲した論理」と批難する崔教授の竹島研究とは、どのようなものなのか。昨年3月、崔教授が日本の中央大学の学術雑誌『法学新報』(第121巻/第9・10号)に発表した論稿(「韓国の『于山島(うさんとう)→石島→独島』への名称変換に関する研究-勅令四一号の『石島=独島』の検証」)がある。

崔教授はその冒頭から「独島は歴史的権原に基づき、今日の韓国が実効的に管理している韓国固有の領土である」とし、竹島を韓国領とする前提で論を進めている。その論理展開は演繹(えんえき)的である。

そこで論拠としていたのは、「日本は、日本の大陸侵略の過程で、日露戦争中に韓国固有の領土だった独島に対して無主地であるとし、国際法の無主地先占論理を悪用」したというものであった。

だが日本政府が竹島を「無主の地」としたのは、竹島には「他国ニ於テ此ヲ占領シタリト認ムヘキ形跡」がなかったからで、日露戦争とは直接、関係しない。竹島の日本領編入が、日露戦争の時期と重なっていただけのことである。

本末転倒の解釈

そこで崔教授は、竹島は欝陵(うつりょう)島からは見えるが、日本からは見えないとして、それを根拠に、竹島は韓国領だとしたのである。

しかし、「見える」からといって、竹島を韓国領とすることはできない。小笠原諸島は、東京から南南東千キロほどに位置し、近年、活発な火山活動でその面積を拡大した西之島は小笠原諸島の父島の西、130キロにある。いずれも本州や父島からは「見えない」が、日本の領土である。