浪速風

子育てする動物に恥ずかしい

子育てをしているヒバリは、敵が巣に近づくと、あえて傷を負って飛べないかのように装い、注意を引きつけてヒナを守る。「擬傷」と呼ばれる自己犠牲の行動である。カバキコマチグモは、脱皮した子グモが母グモにとりついて、体液を吸い取ってしまう。母グモは抵抗せず、やがて絶命する。

▶こうした動物たちの子育てを見ると、人間は恥ずかしくなる。またやりきれない事件が起きた。1歳の男児の遺体を車のトランクに入れたクーラーボックスに隠したとして、大阪市東住吉区の若い母親と内縁の夫が死体遺棄容疑で逮捕された。男児は低栄養による衰弱死とみられるから、育児放棄だろう。

▶家庭訪問した児童相談所の職員には「実家にいる」などと虚偽の説明を繰り返していた。幼い命が奪われるたびに、自治体や警察が連携してもう一歩踏み込んだ対応を、と訴えてきたが、それ以前に親になる資格がない。「鬼畜にも劣る」。いや、動物たちに失礼だった。