防衛最前線(97)

韓国、政権が揺れても防衛は揺るがなかった 海自が誇るイージス艦「ちょうかい」が共同訓練

 防衛省は現在、BMD能力を付与するために改修中の「あたご」型イージス艦2隻と、新造艦2隻の計4隻にイージスシステム「ベースライン9」と「BMDプログラム5・1」を搭載する計画。これにより、2隻で日本列島をカバーできることになる。

 とはいえ、北朝鮮の弾道ミサイルに対処するためにはこれで十分ではない。

 海自のイージス艦は韓国や中国の領海近くに展開だきないため、北朝鮮西岸でミサイルが発射された場合は軌道を捕捉するのが困難となる。北朝鮮が発射に失敗した場合も自衛隊が独自に把握することは難しい。イージス艦のレーダーは水平線の向こう側には届かないためだ。

 海自が韓国海軍のイージス艦と共同訓練を行う意義はここにある。北朝鮮近海に展開する韓国のイージス艦の情報が得られれば、日本のミサイル防衛にも資するというわけだ。

 韓国にも利点はある。北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発を進めており、これが韓国にとっても重大な脅威となっている。ところが、陸軍中心の韓国軍は潜水艦哨戒能力の構築が十分ではなく、評価が高い海自の対潜哨戒機が得た情報が必要となる。

 日韓両国がこうした機密情報をやり取りするためには、情報漏洩を防ぐための手続きを定めた軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結が不可欠。「データのスピードの面などで日韓が直接情報交換したほうがベター」(自衛隊幹部)だが、日韓両国は米国を介した3カ国間取り決めで急場をしのいできた。日韓GSOMIAが24年6月の署名式直前に延期されたためだ。

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