囲碁電王戦 国内最強ソフトvsトップ棋士

第3局(4) 趙治勲名誉名人「ボクは退化したけど、(Zenは)すごく成長した」

 「強かったね。(韓国から)日本にきて55年間囲碁の勉強をしているけど、今までの積み重ねは何だったろうというくらい、序盤の感覚は違った。(自分のほうが)いいはずなんだろうけど、自信はなかったですね。人間のようにポカもあったけど、そんなところはすぐに改良されていくでしょう。3月にZenの碁を見てから半年でボクは退化したけど、その間に(Zenは)すごく成長した。半年後に対局したら負けちゃうかもしれないけど、恥ずかしいとも、悔しいとも思わない。AIが強くなったら、それを使って(棋士も)勉強して、互いに強くなっていったらいいんですよ」。肩の荷が下りたかのように、趙名誉名人はすがすがしい表情で語った。

 一方、Zenの評価値が終局になる直前には50・1%にまで降下していたことを明かした加藤代表は、「楽観派のZenの評価がここまで下がっては望みがない。数手前から妙な手を打ち出していた。最初からよくなく、完敗だな、と」と頭を下げた。グーグルの「アルファ碁」に対抗する和製AIにしようとの目的で始まった「Deep Zen Goプロジェクト」。加藤代表は「アルファ碁に追いつくこと、そして協力いただいた囲碁界に何らかの貢献をできるようにしたい」と話した。

 主催者のドワンゴ・川上量生会長は「開発協力の立場では(Zenが)負けたことは若干悔しい気持ちがあるが、主催者としては人間の勝利をうれしく思う。近いうちに第3回電王戦を実現できれば」と次回の開催を示唆した。