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暴走高齢者どう防ぐ 認知症、運動能力低下…交通死亡事故の3割に65歳以上

 帝塚山大心理学部の蓮花一己教授は、「機能的な衰えのほか、危険予測が苦手になり周囲の確認や徐行が少ない傾向にある」と指摘。「自分の運転が変化していることには気付かないケースがほとんど。『数十年間、無事故無違反だった』という経験があればそれだけ、一度教育しても正しい運転が持続しないことが多い」と分析する。

免許返納を進めているものの…

 警察関係者が高齢者の事故防止の究極の対策と口をそろえるのが、運転免許の自主返納だ。昨年、65歳以上の申請での免許取り消し件数は27万件。各警察はさらにこの数字を増やすため、返納者に商品券などを贈る取り組みを始めている。

 ただ、運転できなくなることをためらう高齢者が多いことも事実。地方では車がなければ移動手段が狭まるほか、運転を「自立や若さを示すもの」と感じている人も少なくないためだ。

 80代の事故が相次いでいることから、政府は今月15日、高齢者による交通事故の防止対策に取り組む関係閣僚会議を首相官邸で開いた。安倍晋三首相は「取り得る対策を早急に講じ、喫緊の課題に一丸となって取り組んでほしい」と対応を指示した。