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暴走高齢者どう防ぐ 認知症、運動能力低下…交通死亡事故の3割に65歳以上

【ニュースの深層】暴走高齢者どう防ぐ 認知症、運動能力低下…交通死亡事故の3割に65歳以上
【ニュースの深層】暴走高齢者どう防ぐ 認知症、運動能力低下…交通死亡事故の3割に65歳以上
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 今年上半期に全国で発生した交通死亡事故のうち、65歳以上の高齢者が第1当事者(過失が重い側)の事故が全体の28%となり、過去10年間で最も高い水準となったことが、警察庁への取材で分かった。10年前の同期と比較すると、全体の死亡事故件数が減る中、80歳以上の増加が目立つ。来年には「認知症ドライバー」への対応を強化する改正道路交通法の施行が控えているが、事故の防止にはより包括的な議論も不可欠だ。2200万人もの団塊の世代が70歳代後半にさしかかる2025年を前に、社会全体での対策が急務となっている。

3、4件に1件が高齢者

 警察庁のまとめによると、今年1〜6月の自動車とバイクが第1当事者となる死亡事故は1588件で、うち高齢者によるものは454件。全体の28・6%に上り、3、4件に1件は高齢者の事故という計算になる。

 高齢者の事故の割合は増加傾向が続いており、10年前の平成18年上半期は18・2%だったが、27年の上半期は27・0%にまで上昇。さらに今年はこれより1・6ポイント上昇していた。

 事故総数は18年と比べて約6割にまで減少する一方で、高齢者の件数はほぼ横ばい。80歳以上に限定すると、78件から112件に増加した。

 昨年1年間の80〜84歳による人身事故件数は17年の1・5倍(1万654件)、85歳以上に絞ると2・2倍(4241件)に跳ね上がった。ほかの年齢層では、20代で半数以下、50代で半数程度など大幅に減っている。

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