震度5弱・津波

よみがえる5年前の恐怖 「海が揺れた」「早く上がっぺ」

沖合から大洗港に戻り、海を見つめる漁師ら=22日午前、茨城県大洗町磯浜町の大洗港(鴨川一也撮影)
沖合から大洗港に戻り、海を見つめる漁師ら=22日午前、茨城県大洗町磯浜町の大洗港(鴨川一也撮影)

 5年前の恐怖がよみがえった。22日早朝、福島県などを襲った地震と津波。サイレンと防災無線が鳴り響く中、甚大な被害が出た平成23年3月の東日本大震災をいや応なく思い起こし、住民らは避難や安全確認を急いだ。

 午前5時59分。福島県いわき市の自宅寝室で長女(6)や次女(3)と眠っていた市職員の鈴木浩貴さん(45)は、ゆっくりした横揺れに気づき、目を覚ました。体を起こしたところで突然激しい揺れが始まった。すぐに娘2人に寄り添った。

 立てかけていた高さ1・5メートルの鏡が倒れたが、大きな被害はなし。ほっとしたところで食料備蓄の不足に気づいた。「震災直後はいろいろと準備していたけれど…」。自戒しながら、慌ただしく市役所へ向かった。

 「布団の中で体が揺さぶられている感じ。あのときのことをすぐ思いだした」と顔をこわばらせたのは、東京電力福島第1原発に近い同県広野町の主婦、遠藤政子さん(80)。同町の農産物直売所組合長を務める塩史子さん(71)は「(原発事故の)風評被害がようやく落ち着いてきたのに…」とうめいた。

■潮引き「まずい」

 50センチの津波を観測した茨城県大洗町。海岸近くで釣具店を営む高松久雄さん(48)は地震発生時、客数人と店内にいた。「釣り人を注意しに行ったら、潮が引き始めていた。『まずい』と思い、高台の自宅まで急いで車で戻った」