浪速風

昔の新語・流行語はワサビが利いていた

今年の新語・流行語大賞の候補30語が発表されたが、流行語というより社会現象そのものが多い。かつての大宅壮一の語録は、時代を鋭く斬る批評精神にあふれていた。各地に新設された大学を「駅弁大学」、接待ゴルフを「緑の待合」と皮肉り、中国の文化大革命は「尊毛攘夷」…。

▶その一つに「阪僑」がある。大阪生まれで、自身を解剖するように大阪人気質を分析した。とくに経済の分野での東京進出を華僑に擬(なぞら)えた。金をもうけるために努力し、倹約もするが、人生を楽しむことにはすこぶる積極的。大阪商人がサンプルを背負って世界のどこにも行ったように国際性が強い。

▶これに反政府、反官僚的で、法律や官制よりも人と人との関係を重んじる-を加えると、大阪人の性格がわかる。昭和33年に書かれた「阪僑まかり通る」には、地盤沈下した大阪が自信を取り戻すヒントがある。「天下の野次馬」と称したジャーナリストは45年11月22日に亡くなった。