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歌舞伎になった絵本「あらしのよるに」 中村獅童が切望 母の思い胸に東京初演

 獅童は14年、NHK教育「てれび絵本」で同作のナレーションと全キャラクターの声を担当し、原作と出合った。「歌舞伎になると思った。ファンタジーでアナログな精神、普遍的なテーマは歌舞伎に通じますから」

 17年に映画化された際も、がぶ役の声を担った。「実はおふくろ(3年前に死去した小川陽子さん)もてれび絵本放映時、僕に黙って会社(松竹)に企画書を持ち込み、『いつか歌舞伎で獅童にやらせてほしい』と言っていたそうです。後に知り、驚きました」

 親子の悲願が実り、獅童は古典的手法にこだわって義太夫や長唄を駆使し、新作を構築。学生客の歓声や歌舞伎ファンからの「新作の中でこれが一番歌舞伎」との声に手応えを感じただけに、「持てるものすべてをぶつけたい」と笑顔を見せた。

 12月26日まで。「あらし-」は3部制の第1部。第2部は「吹雪峠」「寺子屋」。第3部は「二人椀久」「五人道成寺」。(電)0570・000・489。