TPP「米国抜きでは成り立たない」と日本主張 豪州では中国主体のRCEPに軸足移す意見も

 首脳会合では自由貿易の重要性を強調する安倍首相に同調する発言が相次ぎ、米国に国内手続きを進めるよう求める声も上がった。トランプ氏と会談したその足でリマに飛び、この首脳会合に臨んだ安倍首相にとって、最低限の成果は得られたといえる。

 安倍首相がTPPにこだわるのは、日米主導の貿易秩序を形成するという戦略的意義を重視しているからだ。ビショップ豪外相らは米国抜きの東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に軸足を移す可能性に言及しているが、安倍首相は「RCEPは米国が入っておらず、国内総生産(GDP)最大の国は中国だ」と警戒感を隠さない。RCEPに注力する中国が安全保障面でも影響力を増す恐れが念頭にある。

 だが、選挙期間中にTPP離脱を掲げたトランプ氏が翻意する見通しは立っていない。外交筋は表情を曇らせてこう漏らした。

 「トランプ氏は、中国による米国の覇権への挑戦に対応することがTPPの狙いだということにまだ気付いていない」(田辺裕晶、リマ 田北真樹子)