パソコンを感染させてカネを集める身代金要求型のコンピューターウイルスがインターネット上で多数販売され、誰でも簡単に入手できる状況になっていることが19日、分かった。販売者は日々更新されるセキュリティーソフトへの対策を請け負うといった手厚い「アフターサービス」をする代わりに、購入者がウイルスを使って得た犯罪収益の一部を「手数料」として吸い上げているとみられている。専門家は「誰でもサイバー攻撃ができる状況」と被害の増大を懸念している。(福田涼太郎)
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「高い感染率」「確実な公正性」「無料で暗号化サービス」
パソコンのデータを開けないようにし、復旧のための金銭を要求するウイルス「ランサム(身代金)ウエア」を取り扱うある販売サイトには、ウイルスの機能性や手厚いサービスをPRする英文が躍る。ウイルス感染させるための不正メールを大量送信する代行サービスのほか、ウイルスがセキュリティーソフトの検知対象になった場合に、検知を回避できるようウイルスのコードを書き換えて「製品」を使い続けられるようにするアップデートサービスまである。
販売者はこうした顧客管理を通じて購入者の犯行状況を把握し、購入者が得た犯罪収益の一定割合を手数料として受け取っているとみられている。