「痴漢無罪」の男、3日後スリ容疑で逮捕 大阪、「野宿生活つらく」と供述

 電車内で女性に痴漢をしたとして大阪府迷惑防止条例違反罪に問われ、今月15日の大阪地裁判決で、スリ目的で別の乗客のかばんを探っていた手がたまたま女性に当たったと判断され、無罪を言い渡された男(56)=住所不定=が、判決から3日後の18日、電車内で財布を盗んだとして、大阪府警曽根崎署と鉄道警察隊に窃盗容疑で現行犯逮捕された。

 府警によると、男は容疑を認め「野宿生活で食事も取れず、つらくて盗んだ」と供述しているという。

 逮捕容疑は18日午前8時20分ごろ、JR大阪環状線の天満-大阪間で、大阪市の女子大学生(20)のショルダーバッグから現金約6200円などが入った財布を盗んだとしている。

 曽根崎署によると、自らの上着でバッグを覆い、周囲から見にくいようにして財布を抜き取っていた。警戒中の鉄道警察隊員が不審な動きに気付き、大阪駅のホームで声を掛け、取り押さえた。

 男は4月、電車内で女性の下腹部を触ったとして現行犯逮捕され、起訴されたが、公判では「別の乗客にスリをしようとして当たった」と主張した。

会員限定記事会員サービス詳細