映画「聖の青春」 伝説の棋士の死闘を熱演(2/2ページ) - 産経ニュース

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映画「聖の青春」 伝説の棋士の死闘を熱演

 「病と死の感覚を理解するのは難しかった。村山さんは病を抱えつつ、朝まで酒を飲むなど、一生懸命に遊んでいた。この人はいろいろなことに正面から向き合い、病すら味方につけた人だったんだと思います」

 松山の演技をがっちりと受け止める東出の演技も良い。知的で無機的だが、時折、勝負への強い執着がぎらりと光る羽生を見事に演じ、大きな飛躍を見せた。

 「森監督の『鬼であれ』『最高の異物として(現場に)入ってこい』という言葉に助けられた。松山さんとの共演で、2人でしかいけないところまで行きたいと思っていました」と振り返る。

 2人の対局シーンは異様な緊迫感に満ちている。松山はプロ棋士の実際の対局を見学し、「その空気に圧倒された」という。

 「いろいろなものを捨て去り、ただ勝ちたい、という思いだけで争っている印象でした。僕も余分な思考を一切捨てて臨んだ」

 2人は、村山と羽生の実際の指し手を記録した棋譜通りに駒を動かした。東出は「棋譜には互いの思惑が表れていて、それをせりふのように演じることができました」と振り返る。

 2人の勝負師の最後の戦いは意外な結末を迎える。松山は「普通の生活では絶対に到達できない高みを目指す人々の物語。生きることの意味を考えさせる作品になったと思います」。東出は「自分の俳優人生の中で、燦然(さんぜん)と輝く作品になりました。この演技を越えるものに出会わないと」と意気込みを語った。