食の安全を問う

「輸入または国産」=「全世界産」じゃないの? 加工食品の原産国表示義務化で「中国産への不信感」払拭できるか

 レトルトのビーフカレーで例えると、重量の割合が最も多いのは牛肉となる。

 その牛肉について、原産国がオーストラリアだけなら、(1)のケースで「牛肉(オーストラリア)」と表示する。(2)は複数国の牛肉を使っている場合。使っている割合が多い順に表示し、「牛肉(オーストラリア、米国、カナダ)」といった表示となる。

 一方で、天候不順などの影響で原材料の仕入れ先が変わるたびに包装も変更しなければならないなどとする事業者側の懸念にも配慮。例外表示も認めることになった。

 報告書案が示した例外表示は(1)可能性表示(2)大くくり表示(3)大くくり表示と可能性表示(4)中間加工原材料の製造地表示-の4種類。

 しょうゆを例にすると、「可能性表示」は、過去の実績に基づき「大豆(米国またはカナダまたはブラジル)」など、原材料として使用する可能性のある複数国を「または」でつなぐもの。これなら不作で輸入が止まった国があっても、表示変更の必要がなくなる。

 3カ国以上なら「大豆(輸入)」と表示する「大くくり表示」になり、3カ国以上から輸入したものに国産を混ぜれば「大豆(輸入または国産)」と記す「大くくり表示と可能性表示」になる。

 「中間加工原材料の製造地表示」はパンなどを想定しており、米国産の小麦粉を国内で製粉したものは「小麦粉(国内製造)」と表示できるとしている。

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