衝撃事件の核心

屈強な「佐川男子」、暴力団員すら圧倒 世にも奇妙な恐喝未遂事件の一部始終

配達員はモデルガンを本物だと思っていたが、駆けつけた警視庁荒川署員は模造品と看破。警察官は事務所に乗り込んだが、組員2人は事務所から既に逃走していた。

その後、同署の捜査で10月中旬に2人は逮捕された。調べに対し、組員Aは容疑を認め「あの2人にはかないませんや。強すぎる」と供述。組員Bは「Aが勝手にやったことで、自分は知らない」と否認した。

トラブルの気配察知 えりすぐりの配達員が対応

暴力団員に「かなわない」と言わせた2人の男性配達員。実は佐川急便が選抜した屈強な配達員だったという。

配達所は、(1)ロレックスの受け取り先住所が組事務所だった(2)商品が代引きの高級商品だった-ことからトラブルの気配を察知。本来、配達先には配達員が1人で配達するという原則があるが、不測の事態に備え、配達員2人で組事務所に向かわせたという。

ある捜査関係者は「肉体的な強さもさることながら、『後ろから狙われたら危ない』と、とっさに銃を奪い取る判断力は素晴らしい」と称賛する。

「心・技・体」そろった配達員に対し、逮捕された組員2人はあまり恵まれた体格ではなかったといい、はじめから勝ち目はなかったようだ。

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