都市を生きる建築(81)

「大大阪時代」を現代に伝えるモダニズム学舎 大阪市立大学

【都市を生きる建築(81)】「大大阪時代」を現代に伝えるモダニズム学舎 大阪市立大学
【都市を生きる建築(81)】「大大阪時代」を現代に伝えるモダニズム学舎 大阪市立大学
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 11月5日と6日に開催された「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2016」(イケフェス大阪)は盛況のうちに幕を閉じた。普段は入れない建築に入れる特別な2日間だ。入場待ちの列もでき、特に安藤忠雄氏の設計による「日本橋の家」(第73回で紹介)は、常に1時間から1時間半待ち。それでも内部の不思議さを感じたり、オーナーと話したり、邸内で開かれている建築模型展を見たりといった体験が複合しているためか、来場された方は満足そうだった(「日本橋の家」は展覧会場として11月20日まで有料公開。午前10〜午後4時)。

 大阪市住吉区にある大阪市立大学杉本キャンパスでは、11月4日にプレイベントの一つとしてトークセミナー「大阪市立大学の建築を語る」が行われた。ここには登録有形文化財に登録されている1934(昭和9)年完成の1号館をはじめ、旧図書館、2号館、体育館など、先進的なモダニズムの影響を受けた戦前期の学舎が今も現役なのだ。司会を筆者が務め、その意味を複数の専攻の教員が読み解いていった。

 法学研究科・大学史資料室長の安竹貴彦教授は収集した資料を通して、大阪商科大学キャンパスとしての当初計画や戦後の接収から1955年に全面返還されるまでの姿を明らかにした。文学研究科の北村昌史教授は同時代のドイツの集合住宅との比較を通じて、世界的なモダニズムの潮流の中に建築を位置付けた。