焼きシシャモをつまみにビールを飲んでいたら、ママがこうつぶやきました。
「肉ブームといわれるけれど、肉も魚もバランス良く取るのが大切ね。ひなちゃんには、魚もちゃんと食べる習慣を身につけてほしいな」
酔いが一気に覚めました。冷蔵庫に残ったシシャモで、ひなちゃんが喜ぶ料理を作ってみよう。
「手軽で、作りおきもできるエスカベーシュはいかが?」
江上料理学院副院長の江上佳奈美先生が、おしゃれな魚料理を勧めてくれました。エスカベーシュは唐揚げの魚を香味野菜と酢漬けにしたもの。南蛮漬けに近いイメージです。
「本来はタラやキスなどの白身魚を使うけれど、シシャモなら頭から丸ごと食べられてカルシウムもたっぷり取れるわ。いいところに目を付けたわね、ひなちゃんパパ!」
残り物で気が引けましたが、作ってみることにしました。まずはマリネ液から。洋風に仕上げるためにワインビネガーを使います。タマネギ、ピーマン、ニンジンは千切りに。セロリやパプリカなどに変えてもいいそうです。先に野菜を炒めて取り出し、同じフライパンで小麦粉をまぶしたシシャモを焼きます。
「油で揚げるより手軽でしょ。ここでシシャモをカリッと香ばしく焼くのがポイントよ」と江上先生。
マリネ液に野菜とシシャモを漬けて、20〜30分おけば完成です。一晩漬けておいてもOK。お皿に盛ると、焼きシシャモとは対照的な華やかさです。
「さっぱりと食べられて、とってもおいしいわ」とママ。シシャモをきれいに平らげるひなちゃんを、安心した表情で見つめていました。
材料(3~4人分)
シシャモ…………………………8尾
タマネギ…………………………30グラム
ピーマン…………………………1個
ニンジン…………………………10グラム
ワインビネガー(白)……大さじ1
塩、コショウ、小麦粉、サラダ油
作り方
〔1〕サラダ油大さじ3、ワインビネガー、塩小さじ1/2、コショウ少量を混ぜる。
〔2〕タマネギ、ピーマン、ニンジンは千切りにする。
〔3〕フライパンにサラダ油小さじ1を熱し、(2)を炒めて取り出す。
〔4〕シシャモは薄く小麦粉をまぶし付け、余分な粉をはたき落とす。
〔5〕(3)のフライパンにサラダ油大さじ1を足して熱し、(4)をこんがりと両面焼く。
〔6〕(1)を再度混ぜてから、(3)(5)を加えて20〜30分漬ける。
〔7〕器に(6)を盛る。
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取材協力・江上料理学院