【ワシントン=青木伸行】次期米大統領のドナルド・トランプ氏は10日、ワシントンに乗り込み、ホワイトハウスでオバマ大統領と会談したほか、連邦議会議事堂でポール・ライアン下院議長(共和党)らと会い、来年1月の就任へ向け政権移行準備に入った。
トランプ、オバマ両氏の会談は初めて。大統領執務室でスタッフを交えず2人だけで、約1時間半話し合った。アーネスト大統領報道官によると、オバマ氏は「内政、外交の諸問題と、ホワイトハウスの運用」について説明するとともに、円滑な政権移行へ向け協力する意向を伝えた。
これまでオバマ氏はトランプ氏を「デマゴーグ(民衆扇動者)」などと批判。トランプ氏も「米国史上、最悪の大統領」とこき下ろすなど、激しい非難の応酬を繰り広げてきた。
しかし、この日は敵意や対立は脇に置かれ「2人は相違を蒸し返すことはなかった」(アーネスト氏)という。