浪速風

橋下さんも怒りの代弁者だった

米大統領選のトランプ氏の勝利には驚きと戸惑いばかりだが、松井一郎大阪府知事の「建前ではなく本音で有権者、国民と正面からぶつかっていく点は(橋下徹前大阪市長と)よく似ている」という見方が興味深い。「米国に現状を変えたいという思いの人が過半数いたのが事実」

▶橋下氏も怒りの代弁者だった。トランプ氏ほどではないが、過激な発言で大阪を覆っていた閉塞感に風穴を明けた。「クソ教育委員会」「(国直轄事業負担金を)ぼったくりバーみたいな請求書」「大阪市、大阪府を解体する」…。なかでも「今の政治に必要なのは独裁」などは、既成の政治家には口にできない。

▶大阪都構想が住民投票で否決されてすっぱり引退したが、残したものは大きい。トランプ氏も数々の暴言で耳目を集めたが、大統領になって何をするかが問われる。自動車王ヘンリー・フォードはこう言った。「商品を売った後も、お客には満足を与え続けなければならない」

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