浪速風

粗にして野にして卑でもある?

米大統領選はいつも全米の地図がくっきり色分けされる。中央が共和党の赤、両側が民主党の青である。面積では圧倒的に広い内陸部は伝統的な価値観の保守、大都市の多い大西洋・太平洋沿岸はリベラルという構図だが、今回はいくつかの州で、オセロゲームのように青が赤にひっくり返った。

▶なぜトランプ氏が勝ったのか、地図を眺めながら考えた。政治、経済の中心や、文化・情報の発信地は東西両海岸にある。エスタブリッシュメント(支配階層)が集まり、富も偏在する。地域的な対立に加えて、中間層から下には不満が鬱積していた。変化を求める多数派の声を過激な表現で代弁した。

▶大統領としてはあまりに型破りである。政治経験もない。日本としても、どう付き合ったらいいかわからない相手だ。早速、円相場も株価も乱高下している。トランプ氏には地位にふさわしい言動を期待するしかない。せめて「粗にして野だが卑ではない」であってほしい。