防衛最前線(95)

プロ野球広島優勝に歓喜する自衛艦「やまゆき」 海自随一の熱烈ファン、別名「ライジング・カープ」

【防衛最前線(95)】プロ野球広島優勝に歓喜する自衛艦「やまゆき」 海自随一の熱烈ファン、別名「ライジング・カープ」
【防衛最前線(95)】プロ野球広島優勝に歓喜する自衛艦「やまゆき」 海自随一の熱烈ファン、別名「ライジング・カープ」
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 プロ野球の広島東洋カープが、25年ぶりにセ・リーグを制覇した。優勝を決めた9月10日の巨人戦では、熱狂的ファンが敵地・東京ドームを赤く染め尽くしたが、その翌日の11日、東京から遠く離れた海辺で応援歌「それ行けカープ」を熱唱する猛者たちがいた。

 「カープ、カープ、ひろしまー、ひーろしーまカープ!」

 カープの優勝に歓喜したのは、海上自衛隊呉基地(広島県)所属の練習艦「やまゆき」の乗組員。艦橋にはこいのぼりが風にはためき、「必勝」の横断幕も掲げられた。隊員の起床時などに鳴らされる「信号ラッパ」も、この日だけは「それ行けカープ」を盛り上げるためにあった。

 「やまゆき」の乗組員が呉基地の岸壁でカープ優勝を喜んだのは、呉基地を拠点としているからだけではない。

 初代艦長が熱烈なカープファンで、ニックネームを「ライジング・カープ(登り鯉)」と命名したことから、海自内では「広島ファン海自艦」として知られているからだ。自衛艦は初代艦長がニックネームをつける権限を持つが、海自関係者は「ほかにプロ野球チームの名前を冠した自衛艦は思い当たらない」と語る。エンブレムにはもちろん鯉がかたどられている。

 「やまゆき」は「はつゆき」型護衛艦の8番艦として昭和60年に就役した。全長約130メートル、幅13・6メートル、基準排水量約3050トン。「はつゆき」型としては初めて、上部構造物がアルミ合金から鋼製に切り替えられた。長らく機動水上任務群を構成する汎用護衛艦として、日本の海の守りを担ってきたベテラン艦だ。

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