浪速風

ゴジラが暴れたか?

万城目学さんの小説「プリンセス・トヨトミ」は、大阪城の地下深くに国会議事堂があり、豊臣家の末裔(まつえい)を頂く「大阪国」が存在するという設定である。奇想天外だが、真田幸村の抜け穴伝説もあり、古くから地下を掘って活用してきたから、この事故はひとごとではない。

▶昨日の博多駅前の大規模な道路陥没には唖然(あぜん)とした。約30メートル四方、深さ約15メートルの巨大な穴ができた。まるでゴジラが踏み抜いた映画のシーンのようだ。早朝で通行人や車が巻き添えにならなかったのは幸いだったが、道路沿いのビルの基礎部分までえぐられ、倒壊しないか心配になる。

▶地下鉄の延伸工事中で、掘削したトンネル内に、地下水が含まれる地層から水が流入して空洞ができたらしい。穴を見ると、上下水道やガス管など多くのものが埋まっている。さらには地下街があり、地下鉄が走る。都会の地下はどこも同じだろう。好き勝手に掘っていいわけではないという警鐘と受け止めたい。

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