浪速風

「誰も知らない」所在不明児童

幼い命が奪われる事件、事故に胸が痛む。堺市の4歳男児不明事件は、児童手当をだまし取ったとして逮捕された父親が、遺体を大阪・奈良府県境の峠から捨てたと供述したが、まだ発見されない。厚生労働省の調査では、住民票がありながら所在が確認できない18歳未満の子供が、13都県で25人いるという。

▶だが、氷山の一角ではないか。約3年前から所在不明だった堺市の男児は含まれていないからだ。2004年度のカンヌ国際映画祭で柳楽優弥さんが最優秀主演男優賞を獲得した映画「誰も知らない」は実話に基づく。母親が養育放棄して家を出てしまい、4人の子供が残される。

▶長男が学校にも通わず弟妹の面倒をみていたが、電気やガスも止められ、子供たちだけの生活は限界を迎える。近所の人も、おかしいと思いながら通報しなかった。未就学だったり、乳幼児健診を受けないなどの徴候がある。「どこかで無事では」と無関心では、悲劇は防げない。