ビジネスの裏側

大阪万博誘致の主導権は改憲目指す政府に? 振り回される関西財界に妙案はあるか

追い込まれて「気概」

 世耕経産相は関西財界首脳に万博誘致への協力を直接要請する、とみられていた。平成17年の愛知万博では、会場建設費1350億円(計画時)を国と地元自治体、民間が3分の1ずつ負担したからだ。大阪府は万博の会場建設費を1200億〜1300億円程度とみている。

 関西には費用対効果への疑問から難色を示す企業が多く、関経連の森会長は9月5日の定例記者会見で、府に対して「われわれの努力に見合うもの(計画)をつくってほしい」と述べるなど、万博誘致計画に距離を置いていた。

 風向きが変わり始めたのは9月中旬だ。ある関西財界関係者の元に経産省関係者から「世耕経産相は万博誘致にかなり前のめりだ」との情報が入ってきた。同月28日には、安倍晋三首相が衆院本会議で万博誘致について「しっかり検討を進める」と答弁した。

 政界では「安倍首相は憲法改正を実現するために、(大阪府の松井一郎知事が代表を務める)日本維新の会との関係を深めたい」との見方が有力。首相答弁の背景にはこうした政治的事情があるようだ。

 首相の発言は重く、関経連の森会長は10月11日の定例記者会見で「(費用負担の)仕組みを関経連が中心になってつくっていく気概を持ってやっていきたい」と述べ、誘致を後押しする姿勢に転じた。

 万博誘致は政府主導で進み出し、関経連は協力せざるを得ない状況に追い込まれていた。

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