神宮イベント火災

5歳児死亡 遊べる木製ジャングルジム内に「おがくず」、強いライト当てたのが原因か「中に子供が!」大人たちの叫び声、球場にまで煙

 炎は一時5、6メートルの高さに立ち上ったといい、「熱で近づけず何もできない状態だった」と現場付近にいた川崎市の男子美大生(20)は肩を落とした。「最初は演出かと思った」と練馬区の男子中学生(13)。その母親(45)は「安全だと思っていたのに、お子さんが巻き込まれたと聞いて…」と声を震わせた。

 当時、神宮球場では東都大学野球1、2部入れ替え戦が行われており、六回ごろ両軍ベンチ前に煙が漂った。この日は秩父宮ラグビー場でも関東大学ラグビーの帝京大-早大戦などが行われ、神宮外苑周辺は多くの人でにぎわっていた。

 燃えた展示物は日本工業大工学部のクラブ「新建築デザイン研究会」が出品。「素(す)の家」と名付けられ、中におがくずを入れてライトを下から当てていた。「学校作品展」エリア内にある体験型展示物で、当時も複数人が遊んでいたが健仁ちゃんだけが逃げ遅れたとみられる。警視庁は、おがくずから出火したとみて調べている。

 同イベントは今年が31年目で、建築やインテリアなど優れたデザインやアートが世界中から集まる。昨年は10日間で10万人以上が来場する人気イベントで、今年は10月26日から今月7日までの予定だったが、7日は中止となった。

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