「人食いバクテリア」が温暖化で増殖 汚染された生牡蠣を食べ感染するケースも

 温かい汽水域に生息するバクテリア、ヴィブリオ・ヴァルニフィカスによる被害が増加しているという。汚染された海産物の摂取や傷口の汚染によって感染し、数日で命を落とすこともある。

ヴィブリオ・ヴァルニフィカス(V.v)の電子顕微鏡写真。IMAGE: CDC/WIKIMEDIA COMMONS

マイケル・ファンクは2016年9月11日、米国メリーランド州オーシャンシティのアサウーマン湾で、カニをつかまえるためのトラップを洗っていたとき、危険なバクテリア「ヴィブリオ・ヴァルニフィカス」(V.v)に感染した。脚の小さな傷から細菌が侵入したのだ。温かくよどんだ汽水域(淡水と海水が混在した領域)は、細菌の繁殖にうってつけの環境だった。

すぐに体調が悪化したファンクは数時間後、近くの病院に駆け込んだ。外科医は彼の脚から、感染によって壊死した皮膚を切除した。しかし、細菌はすでに血液に入り込んでおり、病状は急速に進行した。ファンクはボルチモアの外傷センターに搬送され、感染した脚の切断手術を受けた。それでも病変は収まらず、彼は10月15日に死亡した。

7月にも、メキシコ湾の温かい海水に入ってV.vに感染した59歳の男性が病院を訪れた。その足首にできた痛みを伴う病変は、医者たちの目の前でみるみる大きくなっていったと報告されている。その男性は、ファンクよりも速く病状が進行した。そして48時間余りで男性は命を落とした。

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