1980年代にブームとなったものの、バブル崩壊とともに姿を消していたサテライトオフィスに、再び注目が集まっている。かつては都心の不動産価格の高騰が背景にあったが、今は通勤や移動時間を短縮し生産性を上げるという「働き方改革」で話題だ。都心のサラリーマンといえば殺人的な通勤ラッシュがお約束だが、時間と場所にとらわれない働き方が、ようやく訪れるかもしれない。
日立系が参入
日立ソリューションズ(東京都品川区)は10月、本社に出社しなくても、自宅近辺や出先の事業所で仕事ができるサテライトオフィスを東京近郊に20カ所開設し、実証実験を始めた。政府が働き方改革を掲げる中、勤務形態の多様化に取り組む企業も増えている。同社は導入成果を検証したうえで、来年度を目標にサテライトオフィス支援事業に参入したい考えだ。
同社は、運営事業者のサービスや自社の事業所を利用し、上野や渋谷といった都内に加え、神奈川県横浜市、川崎市、埼玉県さいたま市など首都圏にサテライトオフィス20カ所を設置した。利用希望者を募ったところ、営業担当者やエンジニア、育児や介護を抱える社員ら約350人が応募。順次利用を始めているという。2カ月かけて実証実験を行い、課題や成果を検証する。