ビジネスの裏側

ミニ四駆人気が再燃「大人の趣味」に 親子でレース参戦も

13年ぶりにレースイベント

 ミニ四駆は模型メーカーのタミヤ(静岡市)が昭和57年に販売を始めた小型自動車模型シリーズで、乾電池で動く小型モーターを載せて自走する仕組み。マシンは約200種類に達し、累計販売台数は1億7500万台を突破した。現在の中心価格帯は842円〜1188円(税込み)だ。

 以前のブームは小学館の少年誌「月刊コロコロコミック」で連載されたマンガと、それを原作にしたアニメが牽引(けんいん)していた。

 昭和62〜平成4年連載の「ダッシュ!四駆郎」や6〜11年連載の「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」に触れた小学生がこぞってミニ四駆を手にしたが、マンガやアニメの終了とともに人気は下火になった。

 そこで、タミヤは24年の発売30周年を機に記念商品を展開するとともに、レースイベント「ミニ四駆ジャパンカップ」を13年ぶりに復活。ミニ四駆を買い求めたのは、子供の頃に親しんだ20〜30代だった。

親子で夢中に

 再燃したミニ四駆人気は子供たちにも広がり、「ジャパンカップ」の出場者には親子での参加が多い。出場者数は復活1年目の約1万人から毎年増加を続け、昨年は3万3千人に達した。

 最近では実車に近いデザインも増え、車好きの人も取り込んでいる。速さを競うレースだけではなく、会員制交流サイト(SNS)で、自己流の改造やデザインを施したマシンを披露する人も増えているという。

 タミヤの広報担当者は「ブームというより、大人も楽しめる趣味になっている」と指摘する。かつて子供たちを夢中にさせたミニ四駆は、模型文化の一つとして定着しつつあるようだ。

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