暮らしの注意報

「薬用せっけん」使って大丈夫なの? 米国で使用停止になった成分が入っていて…

 その結果が出たのが今年9月。FDAは、業者が出したデータでは抗菌効果や長期的な安全性が判断できず、普通せっけんと水で洗うより病気の予防に優れていることを示す科学的根拠はないとして、これらの成分を含む抗菌せっけんの販売を停止することを決めた。この決定は、あくまでも抗菌せっけんに対するもので、歯磨きなど口腔内の殺菌用途や病院で使う手指消毒用の製品についてはこれまで通り販売が可能だ。

「安全」だけども…

 これを受け、日本石鹸洗剤工業会(東京都中央区)は同月、日本で販売する薬用せっけんについて、対象成分を別の成分に切り替えるよう会員企業に求めた。担当者は「トリクロサンは今も厚労省が殺菌効果を認める成分。米国でも『安全でない』というデータが出ているわけではない」とするが、「世界の状況をみると、業界としては使いづらい。グローバル・ハーモナイゼーション(各国の制度・基準を調和させること)の流れもあり、米国の措置を尊重した」と説明する。

 すでに成分を切り替えたメーカーもある。花王は平成27年8月まで薬用せっけん「ビオレu泡ハンドソープ」にトリクロサンを配合していたが、米国での動向も踏まえながら、代替の殺菌成分を用いた商品を開発、同年9月以降に別の抗菌成分に切り替えた。同社は「海外で安全性が懸念されており、消費者により安心して使ってもらうために切り替えた」とし、「成分に問題があって切り替えたわけではない。旧製品についても使用上問題ない」と話す。