年金改革法案が審議入り、安倍晋三首相「レッテル貼りすべきではない」と野党に反論

衆院本会議で、年金改革法案について民進党の柚木道義氏の質問を聞く安倍晋三首相(奥右)と塩崎恭久厚労相=1日午後、国会(斎藤良雄撮影)
衆院本会議で、年金改革法案について民進党の柚木道義氏の質問を聞く安倍晋三首相(奥右)と塩崎恭久厚労相=1日午後、国会(斎藤良雄撮影)

 年金給付抑制の強化策や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織改革などを盛り込んだ年金制度改革関連法案が1日、衆院本会議で審議入りした。これに先立ち、無年金の人を救済するため、年金を受け取るのに必要な加入期間(受給資格期間)を現行の25年から10年に短縮する年金機能強化法改正案は1日の衆院本会議で可決され、参院審議を経て今国会で成立する見込み。成立すれば、来年10月から新たに約64万人が年金を受け取れるようになる。

 安倍晋三首相は、年金制度改革関連法案の趣旨説明後の質疑で「将来の年金水準確保法案であり、(年金制度の)支え手である現役世代の負担能力に応じた給付とするものだ」と意義を強調。批判を強める民進党など野党に対しては「『年金が破綻する』『年金カット法案』といった無責任なレッテル貼りをするべきではない」と反論した。

 年金改革法案は、年金支給額の毎年の改定ルールを変更し、現役世代の賃金が下がった場合は年金の減額を徹底。少子高齢化に伴い支給額を抑制する「マクロ経済スライド」がデフレ時に実施しない仕組みになっている問題については、デフレ時に抑制できなかった年金を翌年度以降の経済状況が好転した時点でまとめて抑制する制度の導入を盛り込んだ。

 また、約130兆円の積立金を運用するGPIFの運営体制を改善するため、合議制の経営委員会を新設する内容も含まれている。

会員限定記事会員サービス詳細