高齢者や認知症患者保護へ取手市がキーホルダー、龍ケ崎市は情報送信携帯

 高齢者らの身元の特定や安否確認につながる自治体による「見守り事業」が、県南地域で広がりを見せている。最近この事業を始めたのは取手、龍ケ崎両市。高齢化が進み、認知症患者も増加傾向にある中、こうした取り組みに対するニーズはますます増加しそうだ。(海老原由紀)

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 取手市は、独り暮らしの65歳以上や認知症の症状がある40歳以上らを対象に、登録番号と地域包括支援センターの連絡先が記されたキーホルダーとステッカー10枚セットを無料配布している。高齢者が徘徊(はいかい)して保護されたり、外出先で倒れたりした際、早期に対応するためだ。

 市側がキーホルダーとステッカーの所持者の氏名や住所、緊急連絡先、主治医などの情報を管理し、連絡を受ければ、登録番号から対象者を見付け出し、親族や警察、医療機関などに知らせる仕組みになっている。登録料は無料。

 キーホルダー、ステッカーのいずれかを使った「見守り事業」は、すでに近隣自治体で実施している。だが、例えばキーホルダーをかばんにつけても、別のかばんを持っていってしまえば、意味をなさない。取手市は2つを併用することで、確実に本人確認ができるようにしたいと考えた。「あの手この手」というわけだ。

 同市内に住むある男性(79)は、過去に体調を崩して倒れた経験がある。「今後も起こり得ると思う」と話しており、早速、市役所で登録申請を済ませた。日中は1人で過ごしているため、安心して外出したいという。ちなみに、市によると、1〜8月に警察に保護された市民は48人。

 一方、龍ケ崎市は、独り暮らしの65歳以上を対象に、利用者の歩数や携帯電話を開いた回数、電池残量などの情報が、携帯メールを通じて、自ら設定した時間に、家族や地域包括支援センターに自動送信される「みまもりメール」の事業を試験的に開始した。独り暮らしをする高齢者の不安感を解消するのが狙い。

 全く歩いていなかったり、携帯電話を利用していなかったりする状況が続くようなら、メールを見た家族と市側が連携して、速やかに安否を確認することができる。

 市は申し込みがあった29人に携帯電話を無償で提供した。ただし、通信、通話料金は自己負担だ。市高齢福祉課の永井悟課長補佐は「不安が解消すれば、外に出て趣味や運動をすることに時間を使える」とその効果を期待している。

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