産経抄

「初代金日成」は日本の陸士出身だった、との説が事実とすれば… 10月31日

 東京基督教大学教授の西岡力さんによると、韓国の反日は世代によって内容が違う。戦前の日本統治を知らない世代に広がった反日は、韓国版自虐史観に基づくものだと、正論欄に書いていた。

 ▼この歴史観からすれば、韓国はまっとうな国とはいえない。独立のために戦った運動家たちが、建国の主体にならなかったからだ。民族の分断も、アメリカと結託した親日勢力が引き起こしたことになる。北朝鮮と韓国国内の「従北左派」の政治宣伝が功を奏したのだ。

 ▼日韓国交正常化を決断した朴正煕(パクチョンヒ)元大統領は当然、親日勢力の代表として非難される。内部文書の漏洩(ろうえい)問題で窮地に陥っている、朴槿恵(クネ)現大統領の父親である。何より、日本の陸軍士官学校出身という経歴が問題視された。

 ▼逆に、抗日闘争を指揮したとされる北朝鮮の金日成(キムイルソン)主席は、民族の英雄となる。もっとも、その経歴にはあまりにも謎が多い。戦後平壌で初めて大衆の前に姿を現したとき、「ニセ者」との落胆の声が上がった。33歳の若者は、「伝説の老将軍」のイメージにまったく合致しなかった。