スペイン下院、首相続投承認

 【ベルリン=宮下日出男】スペインの下院(定数350)は29日、ラホイ首相の続投をめぐって信任投票を実施し、首相率いる最大政党の保守系、国民党などの賛成多数で承認した。約10カ月続いた政治空白は解消されることになった。

 投票結果は賛成票170に対し、反対票111、棄権68。第2党の穏健左派、社会労働党の大半は棄権した。新興政党では第4党の中道、シウダダノスが賛成に回り、第3党の急進左派、ポデモスは反対した。

 スペインでは昨年12月と今年6月の2度の総選挙で国民党が過半数の議席に届かず、政権樹立が難航。ラホイ氏続投に反対してきた社会労働党が方針転換して棄権に回ったことで膠着(こうちゃく)が打開され、3度目の選挙は回避された。

 ラホイ氏は週内の組閣を目指す。少数与党となるため政策実現には野党の協力が必要になる。

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