「核のごみ」への責務 原発国はいま(下)

処分地選定 カギ握る透明性

 「ユッカマウンテンの歴史を繰り返してはいけない」

 7月14日、米国アイダホ州南西部ボイシの市民センター。原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)である使用済み燃料の最終処分場の選定方法を考える米エネルギー省主催の公聴会で、約100人の近隣住民が活発に意見を交わした。

 公聴会では、かつて最終処分地に決まり、白紙撤回されたネバダ州ユッカマウンテンの選定手続きについて意見が集中。ある女性は「ユッカ山地が最終処分場に決まった経緯は、あまりに不透明だった」と憤る。

 85カ所の原発がある「原発大国」の米国。商業炉から発生した使用済み燃料も7万トン以上に上る。これらを地中深く埋める地層処分を決めているが、廃棄する場所は決まっていない。

 政府は2002年、ユッカマウンテンを最終処分地と決定。しかし、同州知事が反対の意を示すなど、地元の意向が無視された形で決まった。その後も計画は進んだが、09年に誕生した民主党政権が流れを大きく変えた。大統領のバラク・オバマは、地元の州や自治体、住民などの「同意」を軽視した経緯を問題視し、事実上白紙化した。

 米国の電力事情などを研究する、海外電力調査会ワシントン事務所課長の岩本宗久(44)は「地元説明が足りなかったことが、計画に反対する政治家が計画を覆すきっかけになった」と分析する。

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