竹島を考える

相変わらず天動説を唱える韓国や米学者、事実を見ない主張はガリレオ断罪裁判と同じ

朝鮮時代の太宗の時、欝陵島の島民を本土に移し、欝陵島を空島状態にした事実はある。だがそれは欝陵島民が倭寇(わこう)(当時、活動した海賊)となり、対岸を襲撃したことが問題とされ、欝陵島が倭寇の巣窟となることを恐れた朝鮮政府が島民を移住させたもので、島民保護のためではなかった。

独島ではなかった「于山島」

さらに、「捜討使を派遣して東海の『欝陵島』と『于山島』二島を領土として管理した」というのも事実無根である。欝陵島に派遣された捜討使たちは、独島を欝陵島の属島とは認識しておらず、管理した事実がないからだ。これは「于山島」が、独島ではなかったということだ。

その事実は、捜討使の朴錫昌(パク・ソクチャン)が描かせた『欝陵島図形』(1711年)で確認できる。『欝陵島図形』には、「所謂(いわゆる)于山島」と表記された小島が描かれているが、これは欝陵島の東2キロほどにある竹嶼(チュクショ)である。

朴錫昌の『欝陵島図形』以後、欝陵島の地図に描かれた于山島は竹嶼のことで、独島は含まれていなかった。

韓国に限らない“未開な天動説”

これらはいずれも史料批判をしていれば理解ができたはずだが、「独島は我が領土」とする前提で文献を解釈する限り、天動説からの脱却は難しい。そのため崔氏は、文末で「日本のあきれた領土ナショナリズムは野蛮なことこの上ない」と、日本批判をしたのだろう。

だが未開な天動説は、韓国に限ったことではない。9月30日付の韓国『中央日報』(電子版)によると、韓国の慶北大学に招聘された米国コネチカット大学のアレクシス・ダデン教授が29日の講演で、「日本政府が2014年4月、独島と北方領土、尖閣諸島を自国の固有の領土とした外交・国防政策を発表したのは、世界の歴史を否定する」ものと強調。「独島の場合、1952年のサンフランシスコ講和条約で米国が日本のロビーによって、巨文(コムン)島などとは違って、独島を韓国の領土としなかった責任がある」と述べたという。

天動説を論破する宿命にある日本

だが、竹島・尖閣諸島・北方領土は、日本領となる以前に、他国に統治された事実がなかった。固有の領土という概念は、欧米中心の国際法にはないそうだが、いずれの島々も「他国ニ於テ之ヲ占領シタリト認ムヘキ形跡」(1905年、明治政府の閣議決定)がない点では、日本固有の領土である。

このダデン教授は、2015年5月5日、慰安婦問題に関連し、在米の歴史学者187名が署名した「日本の歴史家たちを支持する声明」を主導した人物として、韓国では評価されている。しかし、慰安婦問題の根底にあったのは、竹島問題で醸成された歴史認識である。

韓国側では1952年1月、公海上に「李承晩ライン」を設定して日本人漁船員2791名を拿捕(だほ)・抑留し、その人権を侵害して、日韓の国交正常化交渉を有利に進める人質外交を展開した。その後、竹島を「民族の自尊心」と祭り上げ、天動説的な歴史問題を捏造することになるが、慰安婦問題もその一つである。

その韓国側の天動説に同調するダデン教授らは、ガリレオを有罪としたローマ教皇庁と大差がない。地動説に立つ日本は、竹島問題でもその正当性を主張し続け、天動説を論破する宿命にあるのである。 

(下條正男・拓殖大教授)

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