「大川小津波訴訟」勝訴

「ここに来れば娘に会えるような気がする」9歳の長女、未捺さんを亡くした只野英昭さん

【「大川小津波訴訟」勝訴】「ここに来れば娘に会えるような気がする」9歳の長女、未捺さんを亡くした只野英昭さん
【「大川小津波訴訟」勝訴】「ここに来れば娘に会えるような気がする」9歳の長女、未捺さんを亡くした只野英昭さん
その他の写真を見る (1/2枚)

「『会いに来たよ』と、娘に語りかけている感覚で訪れている」

 吹きさらしになったままの石巻市立大川小の被災校舎で、只野英昭さん(45)は掃除を続けている。当時5年生だった長男の哲也さん(17)は一命を取り留めたが、3年生だった長女、未捺(みな)さん=当時(9)=は津波の犠牲となった。

 「『会いに来たよ』と、娘に語りかけている感覚で訪れている」

 おとなしく照れ屋さん。東日本大震災直前のバレンタインデーにはちょっぴり恥ずかしそうにチョコを渡してくれた。結局、チョコは甘い物が好きな未捺さんと一緒に食べた。

 ホワイトデーには何を買ってあげようか。今乗っている哲也君のお下がりの自転車を買い替えてあげることも考えたが、おもちゃのピアノしか持っていなかったため、電子ピアノを買うことにした。

 未捺さんはピアノ教室に通い、日に日に上達していた。震災が起こったのは、電子ピアノの配達予定日の3日前のことだった。

 未捺さんは震災から9日後に発見された。妻のしろえさん=当時(41)、父の弘さん=同(67)=も亡くなった。「申し訳ありませんが、(ピアノを)キャンセルしたい」。業者に涙声で事情を説明した。

会員限定記事会員サービス詳細