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北朝鮮による弾道ミサイル発射は今年に入り計23発に達し、もはや日常茶飯事となってしまった感がある。これに関連し、稲田朋美防衛相ら防衛省幹部がたびたび名前を挙げる装備が、航空自衛隊の改良型地対空誘導弾、PAC3MSEだ。
「北朝鮮のミサイルに対してはミサイル防衛(MD)力をしっかり整えていく。PAC3MSE弾の新規取得など、しっかり防衛力を整えていく」
稲田氏は9月13日の記者会見でもこう述べ、MD態勢の強化に向けた取り組みを強調した。
日本のMDは、海上自衛隊イージス艦に搭載した海上配備型迎撃ミサイル「SM3」とPAC3の二層態勢。北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合、SM3が大気圏外の高高度で迎撃し、撃ち漏らしたミサイルは着弾直前の低高度でPAC3が迎え撃つ。
しかし、現在配備されているPAC3は射程が短く、到達高度も限られている。このため、次世代型の迎撃ミサイルとして開発されたのがPAC3MSEだ。
MSEは「ミサイル部分向上型(Missile Segment Enhancement)」の略。PAC3はレーダー装置や射撃管制装置などで構成されるが、MSEは文字通りミサイルの能力を向上させたことを意味する。
防衛省幹部は「従来型と比べて防護範囲はだいたい2倍。高度もほぼ2倍になる」と説明する。弾道ミサイルだけではなく、巡航ミサイルや航空機への対処能力も併せ持つ。