米大リーグのワールドシリーズの焦点は「呪いは解けるか?」のようだ。1945年のワールドシリーズ第4戦、ペットのヤギを連れたシカゴ・カブスの熱烈なファンが入場を断られ、激怒して「カブスは2度と勝てないだろう」と捨てゼリフを残した。カブスは3勝4敗で世界一を逃した。
▶そればかりか、以降、リーグ優勝もできなかった。「ヤギの呪い」とされる。71年ぶりにワールドシリーズに進出したことで「呪いは解けた」という解釈もあるが、やはり108年ぶりにシリーズ制覇してこそだろう。日本にも似たような話がある。「カーネル・サンダースの呪い」である。
▶昭和60年10月、阪神タイガースが21年ぶりに優勝した夜、狂喜したファンがバース選手に似ているカーネル・サンダース人形を胴上げして道頓堀川に投げ込んだ。以来、阪神は平成15年にリーグ優勝するまで低迷が続く。人形は21年3月に引き揚げられたが、日本一からは遠ざかったままだ。