福島第1原発、廃炉に年数千億円必要 東電委で経産省が示す 原子力事業の分社化も

 経済産業省は25日、東京電力ホールディングス(HD)の福島第1原発の廃炉に必要な資金が、現状の年間800億円から数千億円まで拡大するとの見通しを明らかにした。総額2兆円の想定を大幅に上回ることになる。また、東電の原子力事業を分社化して事業会社を設立し、他の大手電力との再編で経営体力を高め、福島の事故対応費用を捻出する案も提示した。

 同日に開いた東電の経営改善と、福島第1原発の事故処理費用の負担のあり方を検討する「東京電力改革・1F(福島第1原発)問題委員会」で示した。

 福島第1原発の廃炉費用は、1〜3号機で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出し作業によって膨らむ見通し。総額を含む具体的な試算は年末から年明けに発表するとした。現在は年1200億円の被災者への賠償費用も「増大に備えた資金が必要」としている。

 委員会では費用の増加分を国民負担にしないため、東電に「非連続の経営改革」を求める。東電は既に発電、小売り、送配電の3社を分社化しているが、中部電力と共同出資する火力発電事業会社「JERA(ジェラ)」を成功事例として念頭に置き、原子力部門も切り分けて他社と再編させる方向で検討する。

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