昨年、ノーベル物理学賞を受賞した東松山市出身の梶田隆章さん(57)の受賞記念碑の除幕式が24日、母校の同市立野本小、南中と東武東上線東松山駅東口、高坂駅西口の4カ所で行われた。森田光一市長はそれぞれの除幕式で「受賞は9万市民の誇り。この偉業を未来永劫(えいごう)に伝えていく決意です」などと語り、改めて梶田さんの栄誉をたたえた。(石井豊)
◇
記念碑は4カ所ともすべて同じもので、高さ2メートル。梶田さんがニュートリノに質量があることを発見した観測装置「スーパーカミオカンデ」で使われる光電子増倍管の70%大のブロンズモニュメント、直筆で「ニュートリノは極小の素粒子の世界と極大の宇宙を結ぶかけ橋」と書かれた銘板や経歴などが記されている。
梶田さんは野本小と南中で行われた除幕式に出席。野本小では森田市長、児童代表らと校門前に設置された記念碑を除幕した後、全校児童約330人を前に講演を行った。
梶田さんは「45年前に卒業した梶田です」と語り始め、「校歌を聞いて本当に戻ってきたと、うれしく思った」と笑顔を見せ、「自分の将来の方向を決めたのは多くの人との出会いがあったから。皆さんも人生を決めるような出会いがあると思うので大切にしてください」とアドバイスした。
児童を代表し、6年の小林結翔(ゆいと)君がお礼の言葉を述べ、「悩んだりつらいとき、梶田先生の言葉や記念碑が励ましてくれると思う。後輩として夢に向かって頑張ります」と誓った。