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造園業界で働く女性が増えている。悪天候の屋外での作業や、重い土を運んだり機材を扱うなど、女性には向かないと思われてきた仕事だが、女性ならではの細やかさが、現場で重宝されているという。
JR大阪駅北側の再開発区域に7日、オープンした花と緑の庭園「うめきたガーデン」(大阪市北区)。公開前の9月下旬、秋とは思えない暑さの下、壁面に植え込んだ植物の手入れに精を出す女性がいた。
神戸市東灘区のガーデナー、村上とも子さん(49)。植物を植えた緑の壁で囲まれ森の中の散歩気分を味わえる「みどりの小径」や、ログハウス周辺のプロデュースなどを担当。仕事仲間からは「とにかく丁寧な仕事ぶりで表現力が豊か」と評価も高く、うめきたガーデン全体を監修するメインガーデナー、石原和幸氏からの信頼も厚い。
伸びすぎた葉を取ったり、壁面に植え込まれた花の位置を細かく整えながら「本来なら今が見頃ですが、オープンする時期に一番美しい状態に持っていく必要があります」と村上さん。植物を丁寧に扱う手元に、愛情がにじみ出る。
村上さんが造園業界に飛び込んだ12年前は、男性社会で女性はほとんどいなかった。大手ゼネコンの現場で壁面緑化の業務に携わった際、1500人近い関係者がひしめく現場に女性は村上さんだけだったという。